カンボジア・ミャンマーの外資規制まとめ

この記事は2020年11月20日に書かれたものです。


海外へ進出する際、必ず確認しないといけないものの一つに外資規制があります。
進出しようとしている国がどのような規制を行っているのか、または、取り扱っている分野で海外進出をするにはどの国が適当かを検討するためにも、外資規制について把握することは重要です。

外資規制は国によって様々ですが、大きく分けると以下がポイントとなります。

  • 禁止業種:
    進出しようとしている業種が禁止されていないか(例:軍需産業や遺跡に関わる産業など)
  • 規制業種:
    進出しようとしている業種がこれに含まれている場合、どのような形態なら進出可能なのか(リストをチェック)
  • 出資比率:
    100%出資できるのか、上限が定められているのか(店舗の床面積によって違う場合も)
  • 土地所有:
    土地所有が可能かどうか(工場を建てる場合など)
  • 資本金 :
    資本金や投資額の下限が決められている場合も

今回は、カンボジアとミャンマーの外資規制についてご紹介します。

目次

カンボジア
1.禁止業種
2.出資比率について
3.土地所有
4.資本金に関する規制

ミャンマー
1.禁止業種
2.出資比率について
3.土地所有
4.資本金に関する規制

■カンボジア

1.禁止・規制業種

カンボジアでは、外国人投資に関して制限している分野はありませんが、カンボジア企業および外国企業による投資が禁止されている業種があります。
また、投資行為に関連して、外国市民に対する制限も存在します。

◇外国人投資に対して禁止されている業種

  • 外国から輸入される廃棄物を使った電力の加工および生産
  • 森林法により禁止されている森林開拓事業 等

◇外国市民に対する制限

  • 土地の所有と使用:
     カンボジア政府との契約による土地使用、15年以上50年を制限とする永借権に基づく長期賃借、
     更新可能な勇気の短期賃借などが認められている。

◇カンボジア開発評議会の認可が必要とされるもの

  • 5,000万米ドルを超える投資
  • 長期開発戦略を必要とする場合 等

※詳しい投資禁止分野は「改正投資法施行に関する政令第111号」(Sub-Decree No. 111 on the Implementation of the Law on the Amendment to the Law on Investment)PDFファイル(17.30KB)(JICA)の付随文書1、第1節「ネガティブ・リスト」を参照
※カンボジア開発評議会(The Council for Development of Cambodia:CDC)は、すべての復興、開発および投資プロジェクト活動に関する評価と意思決定に責任を有する機関です。

2.出資比率について

投資禁止分野および外国人に対して制限されている分野を除くすべての業種で100%外資が可能です。
ただし、投資活動を行うには商業省に登録し、関連する業務上の許可を取得する必要があります。また、外国および国内の投資家が投資優遇措置の適用を求める場合は投資登録の申請が必要です。

3.土地所有

憲法により「カンボジア法人とカンボジア国籍の市民のみが土地を所有する権利を有する」と定められ、個人(自然人)または法人に関わらず、外国人による土地所有は認められていません。
※この場合のカンボジア法人とは、51%以上の株式をカンボジア人またはカンボジア企業が所有している法人を指します

ただし、外国企業の土地使用に関しては、一部認められる場合があります。

  • カンボジア政府との契約による土地使用(コンセッション)
  • 15年以上50年を期限とする永借権に基づく長期賃借(最長50年ごとの更新が可能)
  • 更新可能な有期の短期賃借 等

4.資本金に関する規制

外国人投資について制限を加えている分野はありません。

カンボジアには「会社法」(2005年4月26日 国民議会で採択)がと呼ばれる法律が存在し、「パートナーシップ」、「有限責任会社」および「外国企業」に対して適用されています。会社は額面4,000リエル(約1米ドル)以上の株式を1,000株以上発行する必要があるとしています。
また、「外国企業」とは、外国の法律に基づいて設立され、カンボジアに拠点を有してビジネスを行う法人を指します。

より詳しい情報については、以下をご確認ください。
ジェトロ:ビジネス関連法・法務「カンボジア会社法」PDFファイル(1.1MB)2015年3月

■ミャンマー

1.禁止・規制業種

ミャンマーでは長く外国企業の登記が凍結されていましたが、2015年以降、規制緩和が進められています。
現在は、国営企業法や投資法などによって参入が禁止・制限されている分野が細かく定められているほか、関連省庁が規定する法律に投資規制がある場合はそれに従うとしているため、注意が必要です。

◇禁止されている投資活動
主に国家や公衆に影響を及ぼす事業が禁止されています。

  • ミャンマー語を含む民族の言語で書かれた雑誌の出版および配布
  • ペットケアサービス
  • ツアーガイドサービス
  • 店舗面積が924㎡未満のミニマート、コンビニエンスストア
  • 外国人に対するビザや滞在許可のステッカーの印刷および発行
  • 発電事業 等

◇ミャンマー国民が所有する企業または合弁企業でのみ認められている投資活動

  • 動物診療所
  • 漁港、魚の競り市場の建設
  • 農業用地での作物の栽培、それらの地元の市場への流通および輸出
  • 現地ツアーサービス
  • 精製氷、飲料水、アルコール飲料等の製造および国内流通 等

◇所轄省庁の許認可が必要な投資活動

  • ホテル業
  • 観光業
  • 小売、卸売業
  • コンピュータ予約システムサービス

※投資法に基づく投資規制業種通達(MIC Notification No.15/2017, List of Restricted Investment Activities)PDFファイル(517KB)(2017年4月10日発布)
※新会社法では、外国資本が35%以下はミャンマー企業として扱われていますが、商業省2018年第25号通達においては80%で区分しています。

2.出資比率について

外国人投資家の直接持株比率は最大80%まで認められています。(改正投資法施行細則22条)

3.土地所有

外国人および外国企業の土地所有は認められておらず、不動産はミャンマー政府や民間からの土地使用権の賃借によって確保する必要があります。また、外国企業は原則として1年を超える賃借ができないため、1年ごとに賃借契約をしなければいけません。
ただし、以下の場合は1年以上の契約が可能です。

  • MIC許可または是認および土地権利認可を取得した場合:最大50年間の賃借が可能。
    さらに、10年間の延長が2回まで可能で、最大70年間の賃借が可能となる。
  • 経済特区法の投資許可を取得した場合:50年間の土地賃借、さらに25年間の延長が認められる。

4.資本金に関する規制

旧会社法のもと、以前は業種ごとに最低資本率がに定められていましたが、新会社法施行後は運用上の最低資本金は撤廃されました。また、投資法に基づく投資についても、現在は業種ごとの最低資本金額は規定されていません。
ただし、税制優遇措置を得る場合の要件として、30万ドル以上の追加投資が定められています。

このほか、予定投資額が1億ドルを超える投資に関してはMIC許可が必須、経済特区法に基づく投資許可を取得している企業に対しては、最低資本金または要件が規定されています。


さらに詳しい内容に関しては、ジェトロのホームページをご確認ください。
外資に関する規制:カンボジアミャンマー

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