【一緒に成長できる相手?】海外進出でよいパートナーと巡り合うための5つのポイント

長期に渡って一緒にやっていける信頼のできるパートナーを見つけることは、海外進出の成功の鍵であることはご説明しましたが、それではどのようなポイントに気をつけてパートナーを見つけるとよいのでしょうか?5つのポイントを見ていきましょう。

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【事例とポイントまとめ①】海外進出のパートナー選び(ホンダ・ヤマハ・ホカベン等)

1.自社の強点・弱点を分析すること

自社の足りない部分を補完してくれるパートナーを見つけるという点から、まずは自社の分析から始め、自社の強みと弱みを考えてみてください。製品・サービス、それを生み出す技術をもっているので、マーケットを求めての海外進出ですが、その他に必要な点は以下が考えられます。

  • 仕入れ先
  • 販売網
  • 流通網
  • 経理
  • 管理システム構築
  • 労務管理
  • 政府機関と折衝

分析結果で自社の弱いポイントに、強い会社をパートナー候補として考えることとなります。

また、どの部分を自社独自でできるか、パートナーと一緒にするか、またはパートナーにまかせるかと考える必要があります。そして、パートナーの形態を最終的に決めることとなります。他の選択としては、プロフェッショナルサービス会社に設立当時は依頼し、後に内製化していくという選択もあります。

2.候補パートナーの評価を多方面からすること

パートナー候補の会社の評価を詳細にすることが大切です。紹介者からの情報のみならず、現地同業者からのヒアリング、現地での評判、消費者や購買者からの評価など、複数の情報ルートから情報を得るようにすることをお勧めします。

また、候補会社を数回実際に訪問してください。業界やマーケットの状況、どういった課題があるのか、温度感がどうなのかを、しっかりと見極める必要があります。

よく技術面でのチェックは念入りにしましたが、パートナー候補の戦略や経営者の意識を理解することは不十分であったということがあります。多角的な視点を導入して分析・評価することが、パートナー獲得を成功へと導く重要なポイントとなります。

3.相手側の狙いを見極めること

弱点を補完してくれることのできる会社の候補が見つかった後、自社のメリットからの視点だけでなく、相手側が何を狙ってパートナーとなることを検討しているのか考えることも大切です。利益のみである場合、いろいろな失敗もみてきました。

1つの実例をあげましょう。

エビの養殖を展開した会社です。その会社は地場のエビの養殖会社と話をし、その会社を買収するのではなく、新しい合弁会社を設立し、パートナー会社の持っているもの、すなわち土地、施設、人を全てを借りるという条件で技術提携契約をしました。エビの養殖ですので、場所はものすごい遠隔地で、合弁会社設立の際、現地企業からの資本は全て現物支給でした。最初に現物支給などの会計処理につきご相談にいらっしゃった際に、色々なレンタル代があまりにも高額で計算されている上、相手パートナーは全くリスクをとっていない契約であったことに驚いたことを覚えています。日本企業にとっては、借用するということで初期投資を減らし、地場の会社が事業経験もあることから投資リスクを減らしたと考えていた思いますが、残念ながらうまくエビが育たず、10年弱で全株を売却し撤退となりました。

パートナーとなる会社は、利益や資金のみではなく、一緒に成長していこうという姿勢があることは、長期の関係を構築していく大切なポイントです。

4.オーナーのキャラクターを把握すること

パートナー候補がオーナー企業の場合、オーナーの経営姿勢、過去のビジネスの実績、過去にどのような仕事をしてきたかなどをしっかりと把握し、自社の社風にあうかどうかも考慮することが大切です。

前回の記事に書きましたように、ブランドを使用してノーハウを学んだ上、1−2年でライセンス契約解約をする場合も多くあり、過去のビジネス履歴や評判から、信頼がおける人物であるかどうかわかると思います。

5.事前にできるだけ細部にわたって合意をすること

ビジネスパートナーとトラブルになる理由の1つには、「最初にそんなことは決めていなかった」ため、有時には合意に達することができないということがあります。ビジネスパートナーとなる会社との合意の際には、様々なことを想定して決めておくことをお勧めします。交渉の際にも、相手がどのような考えをもっているのかがよくわかりますので、この交渉はパートナーを決定する前の大切なポイントとなります。

特に投資回収をどのようにしていくかについては最初にしっかりと決めることが大切です。海外関係者取引には、移転価格を考慮する必要がありますので、独立した対等な関係間価格を考慮した投資回収計画を立てる必要もあります。

合弁会社の場合は、日本の会社にはブランド名、R&D、技術支援などに対する対価により投資回収が行われることとなりますが、パートナーにはこのような対価が少ないため、日本側へのロイヤルティの支払いを認めたがらず、「配当金で払えばいいのに」と言われるケースが多々あります。パートナー側の投資回収のために、ディーラー、仕入れ先などをパートナー関連企業として使用するなどについても考える必要があるはずです。

他には、「経理や監査の体制をどうするか」「赤字になった場合、例えば資金繰りが厳しくなった場合はどうするか」「再投資及び配当の割合」など様々な状況に対しても話し合いをしておくことができれば、相手の考え方がよくわかり、その後にパートナーとして合意した場合は、より長期にわたってのパートナーシップを維持することが見込めます。

いかがでしたか?よいパートナーを選ぶポイントをあげてみました。次回は少し書いた移転価格のお話しを説明したいと思います。


 

【この記事を書いた人】

濱田幸子

 20年以上世界4大会計事務所の1つアーンストアンドヤング(EY)のジャカルタ事務所のエグゼキュティブダイレクターとして、ジャパンデスクを率い、日系企業にアドバイザリーサービスを提供。またジャカルタジャパンクラブで、税務・会計カウンセラー、及び課税委員会の専門員を務め、日系企業の税務問題に関わってきた。現在は日本在住。海外滞在歴は30年、渡航国はアジア、欧州、北米の38か国、480都市以上に及ぶ。 国際基督教大学大学卒。英国マンチェスタービジネススクールでMBA取得。

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