グローバルモビリティ:国境を超えた人材配置戦略

グローバルモビリティという言葉を耳にすることが最近増えているのではないでしょうか。グローバルモビリティ(global-mobility)とは、国際間人事異動のことです。 

ビジネスのグローバル化が進み、多くの企業がグローバル人材の確保に苦戦する中、グローバルに活躍できる人材の確保・育成のため、戦略的な人材マネジメントとしての国際間異動に注目が高まっています。

これまでグローバル人材の確保の方法についてお話ししてきました。今回は、確保した人材を更に育成し、活用するため人事マネジメントシステムとしてのグローバルモビリティをご紹介します。

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海外進出のためのグローバル人材確保 – 4つの方法

グローバルモビリティとは|戦略的に育成・活用するグローバル人材マネジメント

国際的なビジネスを展開する企業にとって、様々な背景をもつ人材を雇い、国境を超えた人材配置をすることが大切となってきています。

グローバルモビリティは、国籍を分け隔てることなくポテンシャルのある人材を確保し、育成し、国境を超えた適所に配置することによって、グローバルに生産性の向上そしてビジネスの成長を促進し、企業全体の発展を目的とした人材マネジメントです。

グローバルモビリティを人材マネジメントにおいて有効活用するためには、本社からの赴任を前提とした制度だけでなく、海外現地法人から本社への登用や、海外現地法人間における異動も視野に入れた制度設計が必要となります。

そして、スムーズに国際間人材移動を行うために、管理組織体制の構築、そしてグローバル人事異動のためにはビザ、就労許可書の取得や税務申告など業務プロセスの構築も必要となります。

グローバルモビリティのメリット


  • グローバル人材の確保と育成

グローバルモビリティにより、世界規模で人材を確保し、育成することができます。国境や国籍にとらわれずに人事異動や配置を行うことで、海外の人材の育成に力を注ぐことができます。

グローバルモビリティを導入することで、人材育成のために海外へ優秀な社員を異動させるだけでなく、海外の優秀なスタッフを日本でまたは地域で研修させたりと、国境を越えた人材確保そして育成が可能となります。

  • 企業の発展への貢献

グローバル化を進める企業において重要なことは、高い能力を保持する優秀な人材を確保し育成し、戦略上重要な職務に配置することです。

優秀な人材に重要な職務を任せることでキャリア形成ができ、またキャリアパスを見える化することで優秀な人材の流出を防ぐことができますので、企業がグローバルに発展することが期待できます。

グローバルモビリティの問題点


  • 業務手続きのトラブル

各国の入出国関連法規の厳格化や税務・法務コンプライアンスの強化に伴い、業務対応が複雑化しています。クロスボーダーのスムーズな移動のためには最新の情報の入手とプラニングが必要となります。

業務の諸問題を引き起こさないためにも、日本では、グローバルモビリティの処遇・設計などの業務企画面から、給与計算や税金関係、評価基準、許可業務など人事関連にも対応できるグローバルモビリティ担当を用意してリスク回避する必要があります。

業務支援をグローバルモビリティスペシャリストのいる専門の会社に依頼することも可能ですが、同時に会社に専門担当チームを整備していくことが必要です。

グローバルモビリティのシステムの構築

グローバルモビリティを活用するためにはシステムを構築する必要があります。ここで必要なシステムをあげます。

  1. グローバルモビリティ戦略構築
  2. グローバルモビリティーポリシー策定
  • 多方向の国際間異動:日本から海外、海外から日本、海外から海外に適用できる処遇を含むポリシーの策定
  • 赴任者人材の要件定義
  • 赴任者のキャリアパスの設計
  1. グローバル人材の人事評価などの人事システムの構築
  2. 管理組織体制の構築: 多方向の国際間異動を管理するための専門チーム
  3. グローバル人事業務プロセスの設計と運営

 - 国際間異動に関わる各種業務プロセスの構築と運営:税務、ビザ

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まとめ


国境を超えた人員配置戦略のグローバルモビリティは、ビジネスのグローバル化が加速する中注目の人員戦略です。

しかし、この戦力を活用している日本企業においても、ローカルマネジメント人員を見る限りは、海外派遣型としてのみ活用されており、グローバルモビリティの本来の形ではまだ活用されていないのが現状です。これは日本企業のグローバル人材要件に、日本人としてのアイデンティティーが求められるため、海外で採用した人材を活用しきれていないという理由が考えられます。

しかし、グローバルモビリティ戦略をうまく使うことで、知日人材を含めより多様で優秀な人材を確保、育成できますので、グローバル人材確保の人事戦略として更に注目されていくと思われます。

【この記事を書いた人】

濱田幸子

 20年以上世界4大会計事務所の1つアーンストアンドヤング(EY)のジャカルタ事務所のエグゼキュティブダイレクターとして、ジャパンデスクを率い、日系企業にアドバイザリーサービスを提供。またジャカルタジャパンクラブで、税務・会計カウンセラー、及び課税委員会の専門員を務め、日系企業の税務問題に関わってきた。現在は日本在住。海外滞在歴は30年、渡航国はアジア、欧州、北米の38か国、480都市以上に及ぶ。 国際基督教大学大学卒。英国マンチェスタービジネススクールでMBA取得。

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