前回の記事では、会社が持つニーズを見極めてグローバル人材を確保するための5つのポイントを考えました。
今回はグローバル人材を確保する方法の中で、現地での人材確保について詳しくみてみましょう。
これは一番採用される海外進出国での人材確保の方法です。
現地での人材確保のメリットは、進出国のことをよく知っていること、そして英語ではなく現地の言葉を話せることです。一方デメリットは、採用できる人材が、グローバル人材というよりも、その国に特化した人材であることです。しかし育成することによって、グローバル人材に成長することも可能です。
この採用方法で獲得が見込める人材は、日本の企業で働いた経験のある現地人材、日本人で現地の他の企業で働いていた経験のある人材、そして日本への留学経験がある現地人材があげられます。
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優秀なグローバル人材確保のための5つのポイント
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海外進出のためのグローバル人材確保 – 4つの方法
この記事の目次
現地で人材を採用する5つの方法と、そのポイント
現地で人材確保をするには5つの方法が考えられます。各方法を詳しく説明します。それぞれの採用方法で集まる人材の特徴が違いますので、組織戦略や育成計画と合わせて、どの方法で採用するかを検討してください。
1.求人広告
これは一番手軽に取り組める方法です。求人広告というと新聞広告などでしたが、デジタル時代に使うメディアは変わってきていますので、低コストでの募集が可能になっています。
会社のホームページ及びアプリに採用情報をだす場合、会社に興味のある人材が応募してくることがメリットです。また、ターゲットとなる人材が多く使っているソーシャルメディア(例えばフェイスブックやLinkedIn)に求人広告をだすことも、SNS使用者の多い国では効果的な方法です。
ポイントは、効果的な募集とするためには、会社の求める条件やスキル、そして募集している職務内容を明確に載せることです。新しく海外に進出する会社の場合、会社及び製品の知名度が現地でまだないため、この方法では人材が集まらないことが予想されます。
いずれにせよ、この方法はコストが殆どかからないため、他の採用方法と合わせて試してみましょう。
2.人材紹介会社
現地の人材紹介会社を通じて、特に日系人材紹介会社を通して採用する場合は、その人材会社に登録している、日本語能力のある、また日系企業で働いたことのある現地人材を採用することができます。日系企業で転職を繰り返してキャリアアップを目指す候補者もいるため、会社のニーズを人材紹介会社に理解してもらうことが大切です。
ポイントは、担当の方に会社の求める条件やスキルをしっかりと伝えることです。そうすれば、会社の希望する人材だけを紹介してもらうことができます。これはグローバルリテラシー人材を採用するために適切な方法です。
3.ヘッドハンティング
優秀な人材を求める場合、さらに欲しい人材の特徴がはっきりしている場合、ヘッドハンティングが効果的です。日本人ですでに現地で働いている人、日本人で海外派遣を希望している人、または日本に留学したことがあり、日系企業で働きたい人もこの方法でみつけることができます。
ポイントは、会社のニーズをヘッドハンティング会社に詳細に明確に伝えることです。へッドハンティングによって優秀な人材を確保できますが、ヘッドハンターへの報酬も高いため、グローバル人材の中でもローカルマネジメント人材の採用に活用するのが良いでしょう。
4.ローカルパートナーからの紹介
これはローカルパートナーから現地の優秀なスタッフを紹介してもらう方法です。この方法で採用できる人材は、現地の知見があり経験もある人です。日本語が話せないものの、英語を話せる人材が紹介されるケースが多いです。
この方法で素晴らしい経理、営業マネージャーを採用している会社を多くみてきました。
デメリットとしては、このルートで採用された人材はローカルパートナーに気を遣っていたり、日本に関しての知見が無かったりする場合もあります。
しかし、優秀な人材である場合、長年働くことによって日本の会社に馴染み、日本から派遣される短期滞在のマネジメントより会社の事業内容をよく理解しているため日本本社からの信頼が厚くなり、ローカルマネジメントに成長していく人材もみてきました。このような人材の中には、昇進することが待ちきれず、より良い条件を求めて転職する例も多くあります。しっかりとした人事査定システムを構築した上で、キャリアパスが見えるように提示するなら、優秀な人材を確保することができます。
5.新卒採用
新卒採用をする場合は育成計画を考える必要があります。日本に留学したことのある現地の人だけでなく、その国の大学の新卒で現地就職を目指す日本人もいますので、長期的には良い人材となる可能性があります。グローバルリテラシー人材候補としての採用になります。
面接時には将来の展望やキャリアプラン、また会社説明をじゅうぶんに行うことにより、自社とマッチングするか検討してください。自社に就職するメリットを感じてもらうことも大切です。
新卒採用は大学との連携ができていなければ、1.求人広告または2.人材紹介者との併用となります。
日本留学経験者の新卒人材が海外で活躍している例を見てみましょう。
文部省の奨学金制度を活用し日本の大学を卒業した、日本語はもちろん英語も話せる高学歴人材の例です。
この人材は、卒業後インドネシアに帰国し、インドネシアで日本企業に新卒で就職し、広報マネージャーにまでなりました。
その後この会社がインドネシアから撤退したため転職し、現在はシンガポールの日本企業で広報の仕事をしています。
英語と日本語を駆使できるグローバル人材として成長して、日系企業だけでなくインターナショナル会社からもヘッドハンターを通じて連絡がきている人材です。
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現地で人材採用する方法まとめ
現地での採用のネックは、会社の知名度が日本と比べて低いため、募集に期待したような人材が集まらない場合があることです。そのため、グローバルリテラシー人材やその候補の採用がメインとなります。現地での採用は、会社のニーズにあった条件やスキルポテンシャルを持つ人材を採用し、中長期的な姿勢で育成していくという採用計画をたて人材確保をすることが大切です。
【この記事を書いた人】
濱田幸子
20年以上世界4大会計事務所の1つアーンストアンドヤング(EY)のジャカルタ事務所のエグゼキュティブダイレクターとして、ジャパンデスクを率い、日系企業にアドバイザリーサービスを提供。またジャカルタジャパンクラブで、税務・会計カウンセラー、及び課税委員会の専門員を務め、日系企業の税務問題に関わってきた。現在は日本在住。海外滞在歴は30年、渡航国はアジア、欧州、北米の38か国、480都市以上に及ぶ。 国際基督教大学大学卒。英国マンチェスタービジネススクールでMBA取得。
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